圭哉くんは俺様且つ暴君。


「倉セン(担任)が、鈴木さんと2人で職員室まで来て欲しいって。」


「え?!……私何かやらかした?」


入口までたどり着いた私を、ふわっと柔らかい峰岸くんの雰囲気が包む。


「いや、頼み事があるらしい。ほら、レクリエーションの事で。行こう。」


「頼み事…か。嫌な予感しかしないんだけど……。」


「正直、俺も。」


ハハッと笑う峰岸くんは、言葉の割に楽しそうで…本当に嫌な予感してるのな?と疑問に思うくらい優しく笑ってる。


「わざわざ呼びに来てくれてありがとう。」


「ううん、俺としてもラッキーだから。」


「…え?」


「……こっちの話です。」


「え?何それ?」


私の疑問にも、ふわっと優しく笑うだけでこれと言ってちゃんとした答えをくれない峰岸くんは、


"ほら、急がないと"と、私よりも数歩先を歩きながら振り返った。



やっぱり、峰岸くんって…王子様みたい。なんて言うか…すごいかっこいいんだよな。雰囲気は優しいのに、動きにはキレがあって…。

困ってると助けてくれて、一緒にいると何かあっても峰岸くんがいるから大丈夫!…なんて言う、変な自信すら湧いてくる。


不思議な人だ。

< 124 / 267 >

この作品をシェア

pagetop