圭哉くんは俺様且つ暴君。




「ううん、すごい優しいよ!この前だって、レクリエーションの計画表…困ってたら助けてくれたし。」


「だから、誰にでも優しい訳じゃないんだって。…俺、計算高いから。」


「え?…計算高い…と、言いますと?」



─────ガチャン


ホチキスで留め終わったしおりを、机の上に重ねた翔太くんは、次のしおりへと手を伸ばす……のではなく、



「…し、翔太く…ん?」


机越しにグイッと、私へと迫る。


目と鼻の先に翔太くんの顔があって、そのあまりの近さに、もはやピントが合わない。



「小春ちゃん…俺のこと、男だと思ってないでしょ。」


「な、に?…急に。」


慌てて距離を取ろうと後ずさりかけた私の左腕を、すかさず掴んで引き止めた翔太くんはさらに続ける。



「俺はずっと見てたよ。
小春ちゃんのこと、同じクラスになった日から可愛い子だな〜…って。」


「な……っ」


相変わらずな距離感で、そんな甘い甘いセリフを吐かれたら


誰だってフリーズしてしまうものだと思う。
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