圭哉くんは俺様且つ暴君。
「…あ、…あのね、私「小春。」
圭哉くんが好きだって…言わなきゃって。そう思って口を開いた私に聞こえたのは
「帰るぞ。」
いつもより、少しだけ荒っぽい圭哉くんの声。
「……け、いや…くん…。」
良かった…圭哉くんが好きだって言う前で。危うく聞かれちゃうところだった。
いや、翔太くんからしたら、私達付き合ってるわけだから…おかしな事じゃないんだろうけど。
今の私は、圭哉くんに気持ちを知られるわけにはいかない。
「…小春ちゃん、やっぱり藤崎くんが好き?」
「…………ごめんね、翔太くん。」
その質問には、やっぱり答えられないけど、でも…中途半端は良くないから。
これから友達として一緒に居られなくなるとしても…それでも、
「翔太くんの事は、好きだけど。そこに恋愛感情はない、です。」
ハッキリ言わせてね。
これがお互いの為だと思うから。
「小春、早く来い。」
翔太くんを見つめて動けずにいる私を圭哉くんは急かす。
「…でも、まだ翔太くんと話してるから。先に玄関行って待っ
「いいからこっち来い。」
気づいた時には手遅れで、いつの間に?って思った時には圭哉くんの腕の中に閉じこめられていた。