圭哉くんは俺様且つ暴君。
「人のもんに手出すのは反則だろ。」
圭哉くんの威嚇するような声が、翔太くんに向けられていて
止めなくちゃ!って思ってるのに、圭哉くんの抱きしめる腕があまりにも強くて抜け出せずにいる。
「…確かに。
でも、黙ってられないくらい…俺も小春ちゃんが好きだってこと、知って欲しかった。」
「……小春に金輪際、近づくな。」
「前も思ったけど、藤崎くんって…小春ちゃんに関心ないフリして、かなりの嫉妬深さだよね。
それに俺は別に、2人に別れて欲しいなんて思ってない。…藤崎くんが、小春ちゃんを本当に幸せにしてくれるなら、ね?」
全く2人の顔が見えない今、それでも翔太くんが放つオーラは柔らかい。
「でも…」
「あ?」
「もし、2人に何かあって…小春ちゃんが泣くようなことがあれば。
俺、黙ってないけどね。」
「……いらねぇ心配だな。」
どこかおどけた様子でありながら、その声はとても真剣な翔太くんと、心底イライラしているであろう圭哉くんの温度差が痛いくらい私の背中に伝わって来て
「…なら、安心。
いきなり気持ち伝えてごめんね?小春ちゃん。残りは俺やって帰るから、今日はもう先帰っていいよ。」
どこまでも優しい翔太くんに、胸がギュッと苦しくなると同時に