圭哉くんは俺様且つ暴君。
気付けば財布とスマホだけを持って、玄関のドアを開けていた。
「圭哉くん…いないかなぁ。」
自分で呟いた言葉に、自分で驚きながら…恋をするって色んな意味で凄いや…
なんて、感心さえしてしまう。
基本的に休日に会うことはない私と圭哉くん。たま〜〜に、"飯作りに来い"なんてLINEが届くけど。
……上から目線でムカつくのに、ニヤけちゃうから私の負けは確定。
そんな事を考えているうちに、見慣れた交差点の向こうに見えてきたお店。
本当に1人で来ちゃったよ…。
────────カランカラン
「いらっしゃい。…って、小春ちゃん?」
なぜか忍び足で入店した私を、訝しげに見つめる誠也さんに"こんにちわ…"と、ぎこちない笑顔を向ければ
「今日は圭哉一緒じゃないんだ?」
ニコリと微笑んだ誠也さん。
やっぱりそこに触れます?