圭哉くんは俺様且つ暴君。
結局、あれから夢子ちゃんの家を訪ねた私を、
『おかえり〜』なんて呑気に迎え入れてくれる夢子ちゃんが好き。
夢子ちゃんに、さっきあった圭哉くんとのやり取りをペラペラと報告すれば
「もう、やめなよ。」
案の定、夢子ちゃんは顔をしかめた。
「んー、私もね。
もう、離れ時かなって思ってるんだ。」
このまま傍にいることは、できないもん。
確かに、出会いは最悪で…でも、悪いヤツではなくて。一緒にいるうちに、優しい部分を沢山知ったんだ。
口は悪いし、態度はデカいけど。その裏にある人として1番大事な部分は誰よりも温かい。
「苦しい?小春…。」
「すごい苦しい。この辺が…なんて言うかギューって、する。」
胸の前に拳を当てて、苦笑いを浮かべる私に夢子ちゃんは言う。
「本当に好きなんだね、藤崎くんのこと。」
「ん。」
この気持ちが恋なんだね。
温かくて、嬉しくて、だけど苦しくて、切なくて。とにかくギューって苦しいの。
ねぇ、圭哉くん。
こんな気持ち、圭哉くんは知ってる?
今、何を思ってるの?