圭哉くんは俺様且つ暴君。



どんだけ観察力あるんだよ、この男。


『6組、藤崎 圭哉。名前で呼べよ。仮にも付き合ってんだから。』


『…4組の鈴木 小春。よろしく、圭哉…くん。』



確かに、俺達は初めて会ったあの日、偽恋人として契約を結んだ。


そこに気持ちは微塵もなかったし、こんな未来が待ってるなんて思ってもなかった。


まさか、小春から終わりを告げられるなんてな。



つーか、



「男として最低…って…兄貴には言われたくねぇし。」




俺の言葉に、フッと笑って"それもそうだ"と自嘲気味に笑う兄貴にも


またいい人が出来ればいいけど。



そんな機会があったら、今度はちゃんと自分の気持ち誤魔化したりすんなよ。




俺のせい…って言い訳はもうさせねぇからな。

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