圭哉くんは俺様且つ暴君。
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《圭哉side》
「…ゴホッ…ゴホッ。」
「おいおい、菌が飛ぶ。」
小春と別れてから、正確には契約を解消してから、ほぼ毎日 兄貴の店に顔を出している俺は
今日もカウンターでコーヒーを飲む。
「実の弟が風邪ひいてんのに、どこ心配してんだよ。」
「ちゃんと飯食わねぇからだろ。今日は食ってくか?もちろん、金は取るけど。」
ニヤッと笑ってメニュー表を差し出してくる兄貴をひと睨みしたあと、すぐにそれを払い除けた。
別にいらねぇんだよ、飯なんて。
食わなきゃ食わないでどうにでもなる。
「体壊すぞ。現に風邪ひいてんじゃん。」
「どうってことねーよ。」
つっても、体はやたらダルいし…ぼーっとして何も考えられねぇけど。