圭哉くんは俺様且つ暴君。
11☆*。
♡待った…あと5分だけ。
────────────────
《小春side》
学校から帰宅した私は、真っ直ぐに自分の部屋へと向かう。
昨日、夢子ちゃんを連れてFlavorへ行った私は、誠也さんから、このところ毎日 圭哉くんがFlavorへ通っているという情報を得た。
何の気なしにFlavorへ行ったけれど、下手したら圭哉くんと鉢合わせることだってあるのか!と、思ったらいつ来るか分からない圭哉くんに、ソワソワと落ち着かなかった。
そんな私の気持ちを察してか、ピザトーストを頬張りながら、1時間ほどたわいもない話をしていた私たちに『今日もそろそろ圭哉が来る頃かも』なんて誠也さんが言うもんだから、渋る夢子ちゃんを無理やり引っ張って、慌ててお店を出たのが18時を回った頃だった。
バタバタと店を出たせいで、誠也さんにろくに挨拶も出来なかったから、また今度ゆっくりランチでも食べに行こう。
にしても……、
「……夢子ちゃん、ありゃ本気だな。」
薄々、誠也さんは夢子ちゃんのドストライクなんじゃないかなーって、思ってたけど。
誠也さんを見た夢子ちゃんは、分かりやすいくらい真っ赤になっちゃって…第一声が
『…彼女いますか!?』だったのは言うまでもない。
そんな夢子ちゃんに、『んー、募集中?』なんて営業スマイルを繰り出す誠也さんを見ながら
ヤレヤレ…と私は終始苦笑いで2人を見守った訳だけど
「誠也さん……かぁ。」
こりゃまた、手強そうなのを好きになったね。
夢子ちゃん。