圭哉くんは俺様且つ暴君。



「もしもし、」



『あ、小春ちゃん?俺、誠也だけど。』



「は、はい!…えっと…」




誠也さんからの着信だって言うのは、圭哉くんとFlavorに通っていた頃に番号を交換してたから分かってたけど、かかってきたのはこれが初めてで、変に緊張してしまう。



『急にごめんね、』



「いえ!…どうかしました?」



『実は、圭哉のやつ栄養失調らしくて、倒れて病院に運ばれてさ。』



「……え?!…だ、大丈夫なんですか?」




思いもしなかった電話の内容に、思わず取り乱してしまう私。


近くにあったクッションをギューッと抱きしめて、なるべく落ち着いて話を聞くべく深呼吸する。



『あ、大丈夫大丈夫!点滴したらすぐ帰れるって。まだ寝てるけど、時期に目覚めるよ。』



……ホッ。



クッションを抱きしめる力がフッと弱まって、自分の体から力が抜けたのが分かった。


大したことなくて良かった…と思うのと同時に、栄養失調になるくらい何も食べてないの?と、圭哉くんにイライラが募る。
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