圭哉くんは俺様且つ暴君。
圭哉くんと繋がっていた時間。
《10:43》ディスプレイに表示されるそれは、10分43秒を意味していて、
『待った…あと5分だけ。』
圭哉くんの言葉を思い出すと、どうしてもニヤニヤが止められない。
今まで圭哉くんとしてきた電話は、いつも雑用的な連絡ばかりだったから、さっきみたいに長く話すことなんて、もちろんなかったし、
ただ、単純にお喋りをするだけの電話が、こんなにも幸せだなんて知らなかった。
「電話して良かった…。」
犬呼ばわりされちゃったけど、友達になれたし。
今度見かけたら、堂々と話しかけてやるんだから。
…あ、犬語ってどんなだろ?
勉強した方がいいのかな…。
"ワン"ダブル…とか?!(なわけあるかい!)
何はともあれ、誠也さんに感謝しなきゃ。
誠也さんが連絡くれなかったら、圭哉くんが倒れたことも知らずに今頃過ごしてた。
声を聞くことも出来ずに、友達になる事も出来ずに、また1人で圭哉くんへと想いを馳せるしかなかった。
「あとで、お礼に食べに行こうかな。」
食べたいし、ピザトースト。
もしかしたら、Flavorに行ったら圭哉くんに会えるかもしれないし?!