圭哉くんは俺様且つ暴君。
「わ〜、賑わってるね!」
「秋祭りって言ってもやっぱり、ここのは夏祭りとあんまり変わらないね!」
夢子ちゃんと2人、賑わう屋台を見ながら興奮気味に話せば
「女子は祭り好きだよね。」
くすくすと翔太くんが笑うのが聞こえた。
「お祭りってだけでワクワクする!秋祭りをコースに入れてくれてありがとう翔太くん!」
「どう致しまして。」
私の言葉に、ふわりと笑った翔太くんは
─────ギュッ
「え…?!」
次の瞬間には私の手を強く握りしめていて、
「じゃあ、せっかくだからエスコートさせて。
行こう、小春ちゃん!」
驚く私を引っ張るように、屋台へと進み始めた。
そんな私たちに、他の班員達は驚いたように声を上げているけど
"ごめん!あとで集合!"
なんて、爽やかに笑う翔太くんの言葉に、誰も何も言えなくなってしまったらしい。