圭哉くんは俺様且つ暴君。




「あれ、小春ちゃんの元カレくんだよね。」


「えっと…うん。」



私と圭哉くんは、元恋人同士。
正解じゃないけど、不正解でもない。



翔太くんの疑問に、コクリと頷いて答えれば



──────ギュッ


「行こ、小春ちゃん。」


「え?!……あの、翔太くん!」




私の手を再び握りしめた翔太くんは、圭哉くんたちの方へとスタスタ歩き出す。


な、なんで手?
やだ……見られたくない。

翔太くんと手を繋いでるところを、



私は、圭哉くんに見られたくない!




「し、翔太くん!離して…!」



「…っ、ごめん。やだ。」



翔太くんの手をもう片方の手で必死に解こうとする私に、翔太くんが静かに言い放って、



それとほぼ同時に



「っ、」


圭哉くんたちの横を通り過ぎた。

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