圭哉くんは俺様且つ暴君。
──────────────


《小春side》


「──…ちゃん、小春ちゃん!着いたよ。」


「…へ……?」



…って、やっば!私まさか寝てた?


至近距離に翔太くんの整った顔を確認した私は、驚きと同時に"やばい!寝顔見られた"って言うなんとも言えない恥ずかしさに


ジワジワと殺られている。



「大丈夫、可愛く寝てたから。」



私の言いたいことを理解したらしい翔太くんは、クスクスと笑いながら私の頭をポンッと撫でて



「あー、もう……」



あの時 絶対 寝ない!と断言した自分に喝を入れる。爆睡してんじゃねぇぞ!小春〜!!!



そんなやり取りをしているうちに、動いていたバスが止まって────プシューッと音を立ててバスのドアが開いた。



「おーし、じゃあ順番に降りて、教室で待機なー。
って、おい!何してんだ?」



勢いよく話し出した担任が、誰かに向けてそんな事を言うもんだから、翔太くんと顔を見合わせる。


私の座高的に、バスの前の方なんて見えないし、担任の姿も確認出来ない。



まさに、何がどうなってるのか…さっぱり。


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