圭哉くんは俺様且つ暴君。
「圭哉くん!!どうしたの?」
「………。」
校舎の裏側、あまり人目につかないこの場所で、私の問いかけに答える事なく立ち止まった圭哉くんは
静かに私を振り返った。
「なぁ、小春…。」
「っ、」
その距離が、あんまりにも近いから…思わず言葉に詰まってしまった私を無視して圭哉くんは続ける。
「何なんだよ、アイツ。」
「アイツって……?」
不機嫌そうなその顔は、私の言葉でさらに不機嫌Lvを上げて、
「さっきバスで隣に座ってただろうが。」
「あ…、翔太くんのこと?」
私の口から翔太くんの名前が出た瞬間、圭哉くんにジリっと詰め寄られて…ただでさえ近い2人の距離がさらに縮まった。
─────ドクン、ドクン
こんなに圭哉くんと近くにいる今を、喜ぶ暇もないくらいに心臓がうるさい。