圭哉くんは俺様且つ暴君。



「………アイツ、何なんだよ。」


「何っ…て、」



翔太くんは、クラスメイトだよ。
優しくて、気が利いて、頼りになる、王子様みたいなイケメン男子だよ。



『ずっと好きだった』


そんな翔太くんの言葉を思い出して、ボッと頬が熱を持つ。それを、圭哉くんは見逃さなかった。



「…へぇ…やっぱりアイツに…言い寄られたわけだ。」


「っ、さっきからどうしちゃったの…?」




圭哉くんは何が言いたくてわざわざ私をこんなところに連れてきたのだろう。
これと言って、明確な目的が分からない。


「あんなのに言い寄られて、浮かれてんじゃねぇよ。」



「あんなのって…そんな言い方しないでよ!」



「へぇ…アイツの肩持つわけだ。」



「っ、翔太くんは、すごくいい人だよ!」



圭哉くんの意地悪な言い方に、ムッとして言い返す。



「翔太くん、すごい優しいんだから。」



圭哉くんと違って、どんなことがあっても私をバカにする事なんてないし、いつだってうんっと優しいんだから。




「それに、翔太くんは良く気が利くの。男の子なのに、周りの細かいところまで本当に良く見てて…気配りが出来るんだよ?」



誰にでも出来ることじゃない。
きっと翔太くんの優しさが、そうさせてるんだ。

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