圭哉くんは俺様且つ暴君。
「ねぇ!なんか言ってよ……」
黙ったままの圭哉くんに、いい加減嫌気がさして掴んでいたワイシャツを離した私の手を
─────パシッ
今度は圭哉くんが掴んで引き寄せる。
まるで離さない…と言われてるんじゃないかって錯覚してしまうくらい強く、温かい圭哉くんの手。
「バカ。」
「…は?」
やっと口を開いたかと思えば、『バカ』の二文字。頬を膨らませてムッとした私に
「大バカだな、お前。」
頭に『大』を付け足して、再び同じ言葉が降ってくる。
「バカバカ言わないでよ!
てか、話…逸らさないでよ。」
もう、変に期待させる事なくダメならダメ!と、ハッキリ突き放して欲しい。
私なんかに微塵も気持ちなんてない…って、さっさと失せろって…そう言ってくれた方が幾分楽だ。
「さっきから黙って聞いてりゃ…ふざけんのもいい加減にしろよ。」
「っ、」