圭哉くんは俺様且つ暴君。



「もう、分かんないよ。」



「あ?」




握り締められている左手が熱を持って熱いから、何も考えられなくなっちゃった。



離して、と圭哉くんの手を振り払おうにも到底離してくれる気配はない。



「どうしたらいいの?
どうしたら…圭哉くんは私を好きになるの?どうしたら…私は圭哉くんを諦められるの?」





……こればっかりは、学校じゃ教えてくれないんだもん。

5歳時みたいに駄々こねて、泣きたくないのに涙が溢れて…

圭哉くんの手をブンブン振り回す。



「泣けよ。」


そんな私に圭哉くんは低く吐き捨てた。



「…え?」


「俺が好きだって、俺が欲しいって泣けよ。」


「っ、」




静かに、ただ淡々と言葉を紡ぐ圭哉くん。
私は言葉の意味が分からなくて、ただその整った顔を見つめることしか出来ずにいる。



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