圭哉くんは俺様且つ暴君。
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授業終了のチャイムと同時に"夢子ちゃん行ってくる〜!!"と教室を出れば
向かうのは工業科棟。
大丈夫、校売であの戦争さえ繰り広げなければ3分で間に合う!
普通科棟の廊下を端まで走り抜け、軽やかに階段を駆け下りて
見えてきた渡り廊下を、すれ違う人たちに変な目で見られるほど全力疾走。
工業科棟の階段を登りながら、
「も、もう無理……ハァハァ」
呼吸が続かなくなった。
死ぬ。
「あとちょっと……!」
走る体力は底尽きて、ゆっくり階段を登れば…2つ目の教室のプレートに2年6組の文字。
毎日 通ってるその教室に、今日はお弁当を作ってきてしまったわけで…変に緊張する。
あー、どうしよう!なんて言って渡せばいいんだろ…って!
やばい、3分経っちゃったかな?