圭哉くんは俺様且つ暴君。


「じゃ、じゃあ!ちゃんと食べてね?

私、次の時間 体育だし、お昼まだだし、夢子ちゃん待たせてるからもう行く!」


「………。」


ろくに圭哉くんの返事を待つこともせずに、6組を飛び出した私は4組のある普通科棟へと歩く。


ドキドキした。
自分が作ったものをお父さん以外の人に食べてもらうのは初めてで…


圭哉くんの口に合えばいいな…。

そんなこと思いながら、気付いたら笑ってた。



──────────


「…つーか、多すぎだろ。」


なんでこの俺が、あいつが作った弁当なんか食わなきゃなんねんだよ。


「お?!今日は愛妻弁当?意外に家庭的なんだね〜、小春ちゃん。」

「………。」


でた、うるせーやつがもう1匹。


「何しに来たんだよって顔すんなよ!」

「気付いたんなら帰れ。」

「連れねぇな〜ほんと!あ、玉子焼き1つも〜らいっ!」


────パシッ

玉子焼きに伸びたてを、反射的に叩いて隆太を、睨む。


「ったぁ!お前なぁ!いいじゃん、1つくらい!いっぱい入ってんだろーが。」


「うっせぇな。さっさと自分の席に戻れ。」


「ちぇっ、はいはい戻りますよ〜。」



ったく、小春のやつ。
余計な世話やきやがって。

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