圭哉くんは俺様且つ暴君。

再び歩きだそうとした時、


─────フワッ



「わっ？！」


いきなり、体が宙に浮いた。


「……け、圭哉くん！降ろして！！」


慌てて足をバタバタさせて抗議するも虚しく


「お前は仮にも俺の彼女で、俺はお前の彼氏だ。」


「……で、でも！」


「彼女が足痛めてるのを、黙って放ったらかしにしてるような男だって思われたら俺が困るんだよ。」


「……っ、」


その言葉はやっぱり、自分のことだけ考えてるみたいに聞こえるけれど


私を抱き上げる腕は、何処と無く優しくて、大事にされてるんじゃないかって錯覚してしまいそうになる。


……そう、お姫様抱っこだったなら、ね？


「そう思うなら、もっと抱き方どうにかならないんですかね？これじゃあ、大工が木材を担ぎ上げる時みたいな抱き上げ方じゃん！！」


そう、肩にヒョイっとね。