圭哉くんは俺様且つ暴君。



「で、何しに来た?」

「あ、そうだ!コーラ買ってきたよ…って!あぁ〜!持ってるし!!」


せっかく体育終わりで喉乾いてると思って買ってきたのに!

圭哉くんの好きなコーラ買ってきたのに!!



「………おせぇんだよ。」


「…ぶー、いいよ。私飲むから。」

「あ?誰がお前にやるかよ、よこせ。」


ヒョイっと私の手からコーラを奪うと、珍しく口元を緩ませた。


「何…?」

「別に、アホはアホでも…可愛げあるアホだな…と思っただけ。」


「……ん?」


それって、褒められてる?いや、褒められてないよね。アホアホ連呼すんなー!


「圭哉くんは、大魔王様だよ。」

「あ?…なら、それに仕えるお前は悪魔だな。」


クスッと笑いながら、私の頭をポンッと撫でて教室に入っていく圭哉くんの後ろ姿は、やっぱりかっこよくて。


つーか、何 コーラとか持ってきてんの私!


私の中で少しずつ圭哉くんとの毎日が当たり前になりつつある。

【俺のことは絶対好きになるな。】


どこからか聞こえた、いつかの圭哉くんの言葉に


「わ、分かってるよ!」


教室への道のり…気づけばそんな独り言を呟いていた。
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