圭哉くんは俺様且つ暴君。
「とりあえず、藤崎くんに合コン行くって伝えなよ?セッティングしてあげるから。」
「……う、うん。」
肩につくかつかないかくらいの茶髪ボブヘアの私とは違って、胸元まである栗色のロングヘアを揺らしながらアイスココアを飲む夢子ちゃんは大人っぽい。
夢子ちゃんのことだから、来週にはもう合コン開催決定だろうな。
早いうちに圭哉くんに…言わなきゃ。
…なんて言うんだろう。
やっぱりダメだって、言うかな?
…仮にも彼女が合コンだもんね、いい気はしないと思うんだけど。
「もしかして、小春。
藤崎くんの偽カノやってるうちに、藤崎くんのこと好きになっちゃった、とか?」
「へ…?
な、違う!違うから!」
夢子ちゃんの言葉を理解するのに少しだけ時間を要した。
『俺のことは、絶対に好きになるなよ。』
圭哉くんの言葉がまた聞こえる。好きになったら、傍に居られない。
…って、傍にいたいみたいじゃん。
傍に居られなくなるから、好きじゃないって強がってるみたいじゃん。
本当に違うのに!!