圭哉くんは俺様且つ暴君。
「すっかり盛り上がっちゃったね〜!わ、もう21時過ぎてる〜!」
ロミオを出たのは、もう21時を過ぎた頃。
途中、何度も帰ろうと思った私は…その度に
「小春ちゃん。」
小塚くんに、まんまと捕まってしまう。
「あ、今日はありがとう。」
「こちらこそ。……遅いから送ってくよ、家どっち?」
当たり前、とでも言うように私の手を握る小塚くんに
慌ててその手を振り払った私は、少しだけ距離を取った。
「だ、大丈夫!1人で平気!」
「……送らせて。
俺がまだ一緒にいたいから。」
"ね?"と、再びその手が私に伸びて、私の右手を掴んだ時、
「っ、?!」
「帰るぞ、小春。」
「け、圭哉くん??!」
体ごと後ろに引っ張られた私の左手は、圭哉くんの右手に握られていて
突然の圭哉くんの登場に
「嘘、藤崎くん……」
夢子ちゃんも口をポカーンと開けたまま固まっている。