圭哉くんは俺様且つ暴君。
「…誰?あんた。」
小塚くんの言葉で、私の右手がまだ小塚くんに握られていることを思い出した私は
「あ、あのね……」
慌ててこの状況を整理しようと口を開いたけれど。
「俺はこいつの、彼氏で。
こいつは、俺のだけど?」
「っ、」
「質問の答えはこれでいいか?」
私は圭哉くんの言葉に呆気なく、口をつぐんだ。
どうしてだろう。
いつも、いつも…圭哉くんの言葉は私の胸をギュッと掴んで、苦しいのに…温かい気持ちになる。
「…小春ちゃん、彼氏いたの?」
「…ご、ごめん!!
別に騙してた訳じゃなくって…」
私の顔を見て、驚いたように呟く小塚くんに両手を合わせて必死に言い訳を探している間に
「…こいつ、返してもらうぞ。」
「わっ…まって、圭哉くん!」
圭哉くんが握る手にギュッと力を込めて私を引っ張っるから…そのまま引きづられるように歩くしかない私。
「ゆ、夢子ちゃん!ごめんね?また明日ね!!」
引きづられながら、やっとの思いで振り返った私は夢子ちゃんにそれだけ叫ぶのが精一杯。