圭哉くんは俺様且つ暴君。



ただ、ただ無言で歩く圭哉くんの後ろを、私もただ無言でついていく。


相変わらずその手は私の左手を握ったままで離れる事を知らなくて、


それが余計に私の心臓を、バクバクさせる。


「な、何で…迎えに来てくれたの?」


本当はずっと聞きたかった事をやっとの思いで口にしたのは、歩き初めてもう10分は経った頃。


家に着いたら電話しろ、なんて言ってたくせに何で圭哉くんはあんな所にいたの?

いつからいたの?


私を…待ってたの?


心なしか左手にギュッと力を込めた私に気付いたのか、圭哉くんは足を止めて向かい合う形で私を見つめた。


「……俺という彼氏がいながら、お前が他校と合コンしてた。

なんて、うちの生徒に知られてみろ。

恥かくのは誰だよ。」


「そ、それは……」


確かに、恥かくのは圭哉くんかもしれない。


「まぁ、その場合、お前も尻軽の名で有名になるだろうけどな。」


「うっ、」


つまり、圭哉くんが私を迎えに来てくれたのは、心配だからとか…私の事が気になったから…とか、


当たり前だけどそんな理由じゃなくて。


圭哉くんの評判の為って、事か。
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