圭哉くんは俺様且つ暴君。




「小春。」


突然 背中から聞こえてきた圭哉くんの声に


「……?」



勢いよく振り返った私は、立ち止まる圭哉くんに首を傾げる。






「……飯、美味かった。」


「へ……?」


フッと笑ったその笑顔に、言葉に頭はスーパーフリーズ。←



「マヌケ面してんじゃねぇよ。」


「た、食べてくれたの?」


「食わなきゃ片付かねぇから食っただけだ。勘違いすんなよ。」


それだけ告げて、再び背中を向けて歩いて行く圭哉くんに


目頭が熱くなる。


"美味かった"だって。たまには、素直じゃん。何よ、にやけるじゃん。


こうやって人の好意を無駄にしないところ、圭哉くんなりの優しさなんだよね。

口は、最高に悪いけど。



良かった、食べてくれて。
もっと、料理も…頑張ろうかな。
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