圭哉くんは俺様且つ暴君。
口をパクパクさせながら、何て言おう…これは夢?…なんて、考えてた私は



『…とか言われてみたいタイプだろ?…ブッ、フハ…』



笑いを噛み殺せなかったらしい圭哉くんは、盛大に吹き出してくれちゃったけど、




「………………。」




全然 笑えない。
私の気持ちを知らないから仕方ない。…って、そう言ってしまえばそれまでだけど、


乙女心が分かってなさすぎる。



『バーカ、怒んなよ。もっとブスになんぞ。』



いや、怒りたくもなるでしょ。
もっとってことは、今もブスって事じゃん。


いや、自覚はあるからいいんだけど、ストレートに相手にブスって言うな。


相変わらずぶれない圭哉くんの俺様っぷりには飽きれてモノも言えない。



「……。」



こうなったらシカト決め込んでやる。


『ふ〜ん、俺をシカトとはいい度胸だな。』


「……っ、」



負けてたまるか!!
いっつも圭哉くんに従順な私じゃないんだから。偽とは言え恋人だもん、対等の立場でいなくちゃ!


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