クリア・スカイ

「お二人は僕の手の上に、手を重ねてください」

「わかり……」

「了解ッス!」


 駆は私よりも早く、柳さんの手に手を重ねた。こんなときに不謹慎かもしれないけど、ちょっと残念だ。

 私はしぶしぶ駆の手の上に自分の手を重ねた。


「僕の手を通じて、お二人にもこのネックレスの記憶が届くはずです。もうすぐにでも始められますが、本当によろしいですか? このネックレスが持っている記憶は、お二人がショックを受ける可能性もなくはありません。お二人の大切な人に関する記憶ですから」

 柳さんはいつになく真剣な表情をしていた。私達に真実を知る覚悟はあるのかと、柳さんの瞳が問いかけている。


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