クリア・スカイ

 今からどんなことが起きるのだろう。きっと今まで経験したことのない、不思議なことが始まるのだろう。目を閉じて、そのときをゆっくりと待つ。

 右手には、大切な幼馴染の手のぬくもりを感じる。とってもあったかくて、『お前は一人じゃない』って教えてくれる。


 さっきの駆の言葉は、きっとどんなことがあっても、ほたるがしたようなことはしないって意味だったと思う。生きていくのが辛くなるくらいに悲しいことが待ち受けていても、絶対に自分から身を投げ出さないと。


 なぜなら、残された側の悲しみを十分すぎるほど知ってしまったから。


 私達は、どんなことがあっても、大切な人を置いていなくなったりしない。
 だから、安心して全てを受け入れよう。きっとどんなことがあっても、駆は私のそばからいなくならないから。

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