クリア・スカイ
彼女はその日以来、自分のことを『ほたる』と呼ばなくなった。僕はその呼び方が可愛いらしくて、とっても好きだったのに。
こんなに悲しい理由で変えてしまうなんて、僕はやるせないよ。やるせなくて、苦しくて、君に伝えたいことが沢山募っていく。
もうやめなよ。もう十分だよ。君はたくさん頑張った。僕はちゃんと分かっているから。分かってくれる人は他にもたくさんいるから。
だから、もう、諦めようよ。
君の想いは決して、あの人には届かないから。
無いものを必死に追いかけないで、分かってくれる人を大切にしようよ。
――こうやって、君に声をかけることが出来るなら。僕はどんなことだってするのに。