クリア・スカイ
「えー、そうなんだ。怪我とかしないように気をつけておくね! 占い師さんにもアドバイスありがとうって伝えておいてね」
「分かった。……信じてくれてありがとう」
奏も言いたいことを言い終えると、自分の席へと戻っていった。
僕は、奏の周りにいる占い師は嫌な奴だと思った。そんな縁起でもないことを言わないでほしい。まぁ、ただの占いだし、きっと何事も起こらないだろう。
僕はのんきにそう考えていた。これからもずっとほたるの首にぶら下がって、一緒の日々を過ごすことが出来るって。ほたるはもう十分、辛い思いを経験している。これ以上、神様は彼女に試練を与える訳がない。
――この考え間違っていたということを、この時の僕はまだ知らなかった。