クリア・スカイ

「すいません、陽咲ちゃん、帰ってきていますか?」

「まだ帰ってきていないのよ。良かったら家で待っていく?」

「大丈夫です! ありがとうございました」


 陽咲と駆の家に行ったが、二人はまだ帰っていなかった。中学校にまだいるのか、どこか寄り道しているのかは分からない。ほたるは二人を探しているのか、近所を歩いて回る。

 しばらく歩いていくと、道の先に小さな公園が見えてくる。ここは僕が初めてほたると出会った場所だ。公園に近づいていくと、男女の話し声が耳に入ってきた。これまで何度も耳にしてきた、大切な人たちの声だ。

 ようやく二人を見つけたほたるは、意気揚々と進み、公園の中に入っていこうとした。


 しかし、二人の会話からある言葉が聞こえた瞬間、ぴたりと歩くのをやめた。


< 185 / 318 >

この作品をシェア

pagetop