クリア・スカイ
君はダメなんかじゃない。君ほど優しくて心の綺麗な子はいないよ。だから、ねぇ、そんなに悲しい顔をしないで。
「……やだ、私、何ネックレスに話しかけているんだろ。馬鹿みたい」
ほたるはそう言って、僕から離れてベッドに横たわった。この部屋の中には、ほたるのすすり泣く声だけが聞こえている。
僕に手があったら、彼女の背中を優しくさすって、励ましてあげることが出来るのに。
僕が声を持てたら、君がどれだけ素晴らしいかって、伝えることが出来るのに。
僕に目があったら、君と一緒に涙を流してあげる事が出来るのに。
僕が人間だったら、君の一番の味方になれたのに。
僕が、僕が、僕が、僕は……………。
ねぇ、どうして…………僕はただの石ころなんだろう。