クリア・スカイ
しばらく待ち続けて、僕はもう、ほたるがこの世にいないんじゃないかと思った。そんな不吉なことは考えたくなかった。
でも、それ以外に、ほたるが数か月も部屋を空ける理由が思いつかなかったんだ。
久しぶりに、人間が僕の体に触れた。それは、僕が一番嫌いな人間だった。
その人は僕を持って、優子さんに見せた。
「ねぇ、ほたるの部屋に入ったら、これがあったのだけど」
「ああ、そのネックレスは……陽咲ちゃんとお揃いのものですよ」
優子さんは、ほたるの母親にそっけなく返事をした。優子さんは僕についてもっといろいろ知っているはずなのに、情報を与えることはしなかった。
きっと、この人にそんな価値はないと思ったのだろう。