クリア・スカイ

 柳さんは私たちを慰めて、諌めて、背中を押してくれる。どうしてだろう、私はこの人の言葉なら素直に受け入れることが出来る。

 私より年上で、いろんなことを知っているから? 私が柳さんを好意的に見ているから?
 それとも……ほたるがそう言っているように聞こえるからだろうか。


「それに、彼女が命を絶とうとした理由は全てが君たちではないと思います。タイミングが悪く、いろいろなことが重なってしまった。そして、恐らく、一番の理由は、お二人も分かっていると思うけど……」

「……母親に愛されていなかったから、ですよね」


 口に出して言うのも辛い。今でもやっぱり信じられない。女将がほたるにあんなに冷たくしていたなんて。

 私たちに対しては、優しく接してくれていたのに。まさか、あんな人だとは思わなかった。


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