クリア・スカイ
あんなに冷たくしておいて、今は手のひらを返したかのように、ほたるにつきっきりになっている。
一緒に泣いて、励まし合ったあの時間は一体何だったのだろう。信じていたものに裏切られたような気持ち。悲しくて、怒りがこみ上げる。
「俺、母親にあんな風にされたことがないから……ほたるがどれだけ辛かったのか、想像もできません」
駆はすごく苦しそうな表情でため息をついた。私は駆の言葉に同調するように頷く。
柳さんは、神妙な顔つきをしてしばらく沈黙していた。そして、次に彼が口を開けた時、私たちは彼の新しい事実を知ることとなる。
「では、この中では僕が一番、ほたるさんの気持ちが分かるかもしれません。なぜなら僕は、母親の愛を知らないので」
「えっ……」
「僕が島を旅している理由、言っていませんでしたよね。
――僕は母親を探しに、ここに来たのです」