クリア・スカイ

「ただいまー」

「お帰り。今日は遅かったねぇ。陽太から、駆くんも一緒だって聞いていたから心配はしていなかったけどね。……あら、ちょっと目が腫れているわね、どうしたの?」

「別に、なんでもないよ。海に行ったとき、砂が目に入っただけ」

「そう、ならいいけど。もう夜も遅いし、お風呂に入っちゃいなさいね」


 お母さんは、パタパタとスリッパを鳴らしてキッチンの中に入っていった。今日のこと、何も聞いてこないんだな。今朝は『デートに行くんでしょ』ってからかってきたのに。

 お父さんが家にいるからなのか、何かを察しているからか分からないけど。


「お母さん、キッチンで何しているの?」

 私もキッチンに行き、ハンドソープで手を洗いながらお母さんに話しかける。


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