クリア・スカイ

「神主さん、ごめんなさい。私たち、嘘をついて……」

「はは、そんなことはいいの、いいの」


 神主さんは、どうして嘘をついたのか、何故この場所に来たのかを聞かなかった。もしかして、本当に、全てが見えているのだろうか。

 もし、そうだとしたら、私が質問したい事も分かっていると思う。


「あの、神主さん。あの絵本って、誰に贈ったものなのですか?」

「ああ、それはね――その答えは、いずれ君たちが見つけるさ」

 神主さんは意味深に笑うと「僕もそろそろ行こうかな」と言って部屋を出て行こうとした。


「あ、そうだ。今度は、奏に会いに遊びにきてもらえるかい? あの子、顔には出さないけど寂しいだろうから」

「分かりました。また来ますね」


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