クリア・スカイ
君は……ずっと、ほたるの傍で、こんな気持ちを味わっていたのだね。そう思うと余計苦しくて、ネックレスを持つ手に力が入る。
「……どうして、何も知らないんですか。ほたるのことをちゃんと見てきたのなら、彼女がどんなにこれを大切にして来たのか当然分かっていたはずです」
「そんな……子供のつけているアクセサリーなんて、そう覚えていないわよ」
「よく、そんなことが言えますね。ネックレスについては、もういいです。では、質問を変えてもいいですか」
「……何かしら」
女将の表情は強張っている。攻撃的な私の態度に、怒っているようにも見える。でも私は全然怖くなかった。なぜなら、私は一人じゃないから。