クリア・スカイ
「駆くん、高校ではサッカー頑張っているの? 部活に顔を出していないって話を聞いたけれど」
「部活には、あんまり……」
「行かなくて大丈夫なの? 駆くん、スポーツ推薦で入学したのに」
「それは……」
駆は口を閉ざし、何も語ろうとはしなかった。ただその顔はとても苦しそうで、見ているだけで辛くなる。
「さあ、私もご飯を頂きますか!」
駆の向かいの席に座った私は、あえて大きめの声でそう言ってからご飯を口にした。
お母さんもそれ以上、駆にサッカーの話をすることはなかった。
本当にこれでいいのかは分からない。きっと駆のことを想うなら、今のままではよくないって注意すべきだろう。でも、今の私にはそれが出来ない。話をそらしてあげることで精一杯だった。