クリア・スカイ
「日曜なのにバイトがあるなんて珍しいな」
「うん。今日は忙しいみたいで、猫の手も借りたいくらいなんだって」
私達は立ち上がり、体についた土を払って自転車に乗る。
途中まで行く方向は同じであるため、二人で横に並んで走っている。寂しく感じるのは、一人、足りないからだ。自転車に乗ってどこかに行くときは、いつも三人だったから。
ほたるを守るように挟んで走るのが、子供の頃からの決まり。
「……またいつか、三人で自転車に乗りたいよな」
駆も私と同じことを考えていたようだ。言葉を交わさなくても、想いは同じ。
私達はほたるが目を覚ますことを、ずっと願っている。
「その日が来るまで、私、精一杯頑張る」