クリア・スカイ
一週間前に見たあの記憶を思い出す。心が苦しくなるけど、優しい気持ちにもなる。とっても不思議で、神秘的な気分だ。
「……じゃあ、そろそろ行こうか」
着替えを終えた私は彼と一緒に更衣室を出た。出てすぐのところで、晶子さんと鉢合わせる。
「あ、陽咲ちゃん! おはよう。仕事前に若女将が事務室に来てってさ」
「おはようございます。分かりました、すぐに行きますね」
私はすぐに事務室へと向かった。途中にある調理場のところで、またあの人に声をかけられる。
「陽咲ちゃん、おはよう。おなか減ってる?」
「大輔さん、おはようございます。うーん、やっぱり、この場所に来るとおなかが空きますね」
「だろ? じゃあ、今日はこれをあげるよ」