クリア・スカイ
大輔さんにもらったのはまたおにぎりだった。でも、今度はしょうゆのこげた色が食欲をそそる、焼きおにぎりだ。
「わ、おいしそう! ありがとうございます」
「いえいえ。……それで、あのさ」
何か言いたげにしている大輔さん。ああ、そういえば二週間前にも同じようなことがあったな。若女将に呼び出されるといい、大輔さんにおにぎりをもらうといい、過去にタイムスリップした気分。
「大輔さん、今度お休みをもらってください。それで、一緒にほたるのお見舞いに行きましょう」
「……お、俺も一緒に行っていいの?」
「もちろんです。じゃあ、私は事務室に行ってきますね。あっ、この前のおにぎりもおいしかったですよ!」
「あんなんでよければ、いつだって作るよ」