クリア・スカイ
例外なく白いシャツ。肌の色は、去年よりも落ち着いている。彼が座っているその場所は、確か私が初めて彼に話しかけた場所だ。
「柳さん、どうしたんですか? こんな所で」
「やあ、こんにちは。良かったら一緒に座って、この景色を眺めませんか」
私は自転車を停めて柳さんの隣に座る。そういえば、白いワンピースを着ていたときは、ハンカチを貸してくれたっけ。
「今日もこの島はとても美しいですねぇ」
「私もそう思います。……今日は神社でのお仕事、もう終わったんですか?」
「今日は叔父さんにお願いして、休みにしてもらいました。交換条件として、このあと奏さんに勉強を教えるようにって言われました」