クリア・スカイ

「はは、僕は誰にでもこんな話し方なので、気にしないでください。そうだ、君は僕に様づけしなくて大丈夫ですよ。ここでは客と従業員ではありませんから」

「えと、分かりました。柳……さん」


 新しい呼び方がくすぐったい。でも、少しだけ距離を縮められたようで嬉しい。私は自転車を近くに停めて柳さんの近くに座った。

 夕暮れには少し早い。西に傾きかける太陽はまだまだ存在感抜群にこの世界を照らす。建物を照らし、緑を照らし、目の前の大きな川も照らす。水面がキラキラと反射して、まるで宝箱のように美しい。

 こんな風に自然を美しいと素直に感じるのは、すごく久しぶりな気がする。


「……それでさっきの質問ですが『どうしてここに』っていう質問は、どうしてこの島にという意味ですか? それとも、この場所に?」

 
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