クリア・スカイ
確かに柳さんの肌は焼けているけど、細身でどこか中性的な外見には似合っていない。本当はもっと色白なんだろう。
それにしても、どうして彼は島めぐりをしているのだろうか。聞きたいけれど、あまり詮索するのも良くない気がしてきゅっと口を紡いだ。
「澄ノ島の観光はもうしましたか?」
その代わりに当たり障りのない質問を投げかける。そしてこの質問がまた新たな展開を生んだ。
「まだですね。どこに行こうかって今考えているところなのですが……そうだ。君、良かったら観光案内してくれませんか?」
「わ、私ですか?」
「はい。この島に来て話しかけられたのは君が初めてなので、ぜひお願いしたいのですが。ダメですか?」
「えっと……学校がない土日なら」