クリア・スカイ
絵本の内容を話し終えた駆はとても満足げだった。私は、本の内容よりもここまで暗記していることに驚いてしまった。
何度も読んだとはいえ、こんなにすらすらと話せるなんて、さすがは元優等生。
「宮村くん、ありがとうございました。僕もこの話を知っていますよ。この話を聞いた後、急に周りがカラフルに見えてきますよね」
「おおっ! 柳さん、話の分かる方っすね! 俺、この絵本を読んでサッカー選手になりたいって思いました。別に石ころを蹴るのは好きじゃなかったですけど、芝生の上を駆け巡るヒーローってカッコいいって思って!」
駆の目は、本当にキラキラと輝いていた。幼稚園の時、この話を読んだ瞬間も、同じ目をしていたのだろう。