クリア・スカイ
「この神社の巫女さんということは、君は島神様とお話しできるのですか?」
「うちの家系で、お話というか神託を受ける人はいます。でも私の力ではそれは出来ません」
「なるほど。ところで、その手に持っているのは何のポスターですか?」
「これは、来月の祭りのポスターです」
奏ちゃんはポスターを広げて私たちに見せてくれた。本殿あたりの風景が水彩画で描かれ、紅葉した木々の彩りが鮮やかに描かれている。
「このポスターの絵、すごい上手だね、誰が描いたの?」
「うちの宮司が描きました。絵が好きらしくて」
「そうなんだ、すごいね! ポスター貼り、頑張ってね。じゃあ私たちはそろそろ行くから」
奏ちゃんに背を向け神社を後にしようと歩き始めたとき、彼女にリュックを掴まれた。