クリア・スカイ
 
 こういう親切を嬉しいと素直に受け取る人もいる。しかし、ぼっち人間のほとんどはこう思うだろう。
――ありがた迷惑、と。

「申し訳ないんだけど、これからバイトがあって」

「そっかぁ、残念。また今度一緒に行こうね」

 彼女は、会話の最初から最後まで一貫して笑顔だった。私が断っても全く残念そうではなかった。一応誘っただけで、一緒に来ないと予想していたのだろうか。だったら最初から誘わなければいいのに。

 会話が終わってすぐに教室を出た。高校入学と同時に買ったお気に入りのリュックを背中に背負って。廊下を真っ直ぐに歩いて階段を下る。

 下駄箱でスニーカーに履き替え、急ぎ足で駐輪場まで向かう。


 
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